フィンランドの建築を表現するとすれば、
やはり「沈黙と光」

その中には、暗く厳しい冬をいかに快適に過ごすかという知恵と、自然への畏敬の気持ちが詰まっています。

室内で過ごす時間がとても長いフィンランド人が、建築に対して「ぬくもり」というところに、非常に大きな価値を置いていることにもうなずけます。

厳しい季節から人を守るため、開口部は伝統的に
あまり大きくとる習慣は有りませんが、その内部空間が非常に明るく豊かであることに驚かされます。
光は開口部の大きさではなく、絞った陰との対比によって生み出されることに改めて気付かされます。

フィンランドの建築は、決して見せるための建築
ではありません。時としてそれは刺激に欠け物足りなささえ感じます。
しかしその空間は、人間の生活を引き立たせる為の要素であることを教えてくれているのではないでしょうか。